人気タウンに挟まれた「五反田」は本当に住みにくい街なのか?

2019年6月29日

 住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「五反田」(東京都品川区)について、ライターの金子則男氏が解説する。

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 都内の移動の中心となるJR山手線の駅は、SUUMOの「住みたい駅ランキング」でのきなみ上位にランクインしており、とりわけ人気があるのが南側の駅。2017年のランキングでは、2位の恵比寿を筆頭に、目黒(4位)、品川(5位)、渋谷(10位)、大崎(36位)と、いずれの駅も上位に入る中、ただ1駅だけ不人気だったのが五反田(82位)でした。人気タウンの目黒や大崎までわずか1~2分の五反田は、本当に住みにくい街なのでしょうか?

 鉄道はJR山手線、東急池上線、都営浅草線の3線が通っており、「山手線+東急目黒線+地下鉄」が通る目黒とは良い勝負。大崎には湘南新宿ラインが止まりますが、地下鉄がないので、こちらも利便性に差はありません。渋谷まで7分、新幹線駅の品川まで6分、新橋まで11分、日本橋まで16分ですから、鉄道の便は最高です。さらに駅の両側の出口からは、多方面に向けてバスが出ており、公共交通機関に関してはまったく文句ありません。

 道路状況は、山手線の駅で一二を争う良さでしょう。駅周辺にはたっぷり道幅のある国道1号線と山手通りが通っており、高速道路の入り口もすぐそば。周辺は基本的に坂だらけですし、広尾、麻布十番、六本木など、電車より車で行くほうが圧倒的に早い場所も多いので、車があると便利です。

実は「都内屈指の超高級住宅街」という一面も

 五反田と言うと、庶民的なイメージを抱く人も多いでしょうが、駅北側の池田山や島津山は、都内屈指の超高級住宅街で、駅前の喧騒とは程遠い静謐な空間が広がっています。美智子さまの生家(正田家)も池田山ですし、大使館も少なくありません。他の街から人を呼び込むようなレストランもあります。

 それでも五反田が不人気なのは、ピンクゾーンの存在でしょう。確かに五反田には風俗店などもあり、女性や子どもに優しくない街という印象は否めません。ただそういったゾーンは駅前ロータリーを挟んだ場所にあるため、「風俗店の前を通らないと家に帰れない」というような状況は避けられます。

 スーパーや日常の買い物は、目黒や大崎と同等かそれ以上ですし、飲食店もバラエティに富んでいて、呑兵衛御用達の居酒屋からセレブが好みそうな高級店まで揃っています。バレエファンにはおなじみだった多目的ホール「ゆうぽうと」は取り壊されてしまいましたが、TOC(東京卸売りセンター)で、掘り出し物を探す楽しみもあります。

 家賃相場は「ワンルーム・1K・1DK」で10.41万円(ライフルホームズ調べ。6月20時点)で、「さすが山手線」というレベルですが、鉄道や道路状況の良さ、買い物の便利さ、飲食店の豊富さなどを総合的に考えれば、十分元は取れるはずです。上述したようなデメリットはありますが、街の実力としては目黒や大崎にまったく引けを取っておらず、コアなファンが多いのもうなずけます。

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